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9月に鳴く蝉

 

 もうじき9月も中旬に入り、涼しく過ごせる日も徐々に増えて来ましたが、まだまだ夏を思わせる暑い日も続いています。

 

 以前にも一度触れてはいますが、私はどんなに暑い日が続こうと夏という季節が好きです。
 眩しい日差しの青い空のもと、一世一代の大舞台に全力で残りの命を燃やし続ける蝉の声を聴きながら過ごす日常が好きなのです。

 

 シンガーソングライターの槇原敬之氏の楽曲の一つに『Cicada(※英語で「蝉」の意)』という曲があります。
 これは何年もの間土の中で過ごし、命が燃え尽きる最期の夏に初めて地上へ出て、残り僅かな命が続く限り鳴き続ける蝉たちへの想いを歌った曲です。

 

 私はこの曲を初めて聴いた時とても強く胸を打たれました。

 

 この世界に一度生まれて来た者は、蝉のような弱く小さな虫でさえ、その生涯で果たすべき自分自身の目的のために強く生きているということ。
 そして蝉は最期の夏の僅かな時間の中で他の生物(人など)に「うるさい」と思わせるほど、その生涯の目的を全力で果たして死んでいくという事に、同じ「生命を持つ存在」として強く感銘を受けたのです。

 

 最近は外を歩けば時折、路上に寿命を全うして仰向け状態のまま動かなくなった蝉の死骸を目にする事があります。
 生き物の死をすべて「不幸」と捉えていた子供の頃の私は、事故死した動物や虫の死骸などをよく埋葬して弔っていたものでしたが、現在の私は、蝉の死骸が人や車に踏み潰される事がないよう道の脇に移動させる事で、「生涯を立派に全うした者への敬意」を表すようにしています。

 

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※サンプルの元画像は『大空の顔写真館』で無料公開しています。
「2018年9月分」をご覧ください。