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時の流れの中で

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 今まで、似たような景色をたくさん見て来ました。

 

 しかし人生には決して「同じ場面」はありません。

 

 どんなに他愛なく変化の乏しい景色であっても、今日の自分の目に映るそれと 過去に見たものは 全くの別物なのです。

 


 私は今まで、どれほど無念の残る結果にも、どんなに辛かった過去であっても、

 

 「またやり直せれば・・」「あの時、ああしてれば・・」

 

と思った事がありません。

 

 どんな結果であれ、どんな思いをした過去であっても、その延長線上にいる自分こそが「現実の自分」であり、データや書類のように書き換えが可能なものになど所詮、「偽りの自分」しか投影できないからです。

 


 今、こうしている間にも時は流れて行きます。

 

 人の人生は、経験と苦悩、そして「他愛のない思い出」の上にその深みが増して行きます。少なくとも私はそう考えます。

 

 「似た景色」を眺めたとき、ふと思います。
 
 「辛かった過去」は、今こうしてそれを乗り越えてきた自分自身に自信を与え、

 「楽しかった思い出」は、今こうして泣きそうになる自分自身を元気づけ前を向かせてくれているのだと。

 

  少なくとも私はそう考えることで今日まで何とか、この世界で生き抜いて来ることができました。

 


 私は今日も空を眺めます。

 

 何十年も同じような空を眺めながら、今この時を大切にして生きているその意義を再確認するために・・

 


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