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天使の友人3~聖人であり人であり~

※この記事はフィクションではありません。

(当HPへの掲載は本人の承諾を得ています)

 

 彼女は霊能者としてもかなりの実力の持ち主です。

 

 私はこれまでに彼女の霊視能力等によって、自分自身でさえ掌握していなかった多くの驚くべき事実について教えてもらいました。

 

 その中でも、最も衝撃的だったのは、私を守ってくれている「精霊」に関する事で、私の精霊は私が中学の頃に他界した母方の祖父であるらしいと、彼女は私に教えてくれました。
 ちなみに「精霊(せいれい)」とは、実際は単なる幽霊に過ぎないという「守護霊」等とは異なり、「神の下で使命に従事する高い霊格の存在」とのことです。

 

 私はそれまでにも、自分の先天的なヒーリング能力等のルーツが、昔からよく予知夢等を観る母と、その父である「母方の祖父(参考:『「デイダラボッチ」は実在した!!』)」に起因するものであろうという事は、漠然とは感じていました。
 しかし、そういった事について事前に一切話していなかったにも関わらず、彼女は霊視によって私の家系で高い霊能力を持つのは、祖父と母と私の三人だけである事と、その中でも祖父の霊格が非常に高いという、私や母さえ知らなかった事をいとも簡単に見抜いてしまったのです。

 

 また彼女は、私の精霊であるという祖父が「孫を助けてやって欲しい」と、彼女にお願いしてきていた事も教えてくれました。

 

 私は彼女と知り合った当初、自らの恥を晒したくないという思いもあり、28年間も続けて来た業界を辞めてヒーラーで開業したものの、事業だけでは生活が成り立たず、ほぼ毎日徹夜の副業(新聞配達員)に従事しているような現状については一切話していませんでした。
 しかし彼女は、そういった現状を彼女自身の能力と精霊からの呼びかけ、そしてそれを使命として付与された神様から伝えられた情報によって掌握していたのです。

 

 自分の知らない所で天使と精霊、そして神様までもが その危機を救うために手を差し伸べてくださっていた事実を知った時、本来であれば、私は涙して感謝の言葉を述べるべきだったのかも知れません。

 

 しかし、その時の私は、「いくら『聖人』とはいえ、他人の心の中を勝手に覗いて打ち明けてもいない身上を一方的に掌握するのはプライバシーの侵害にあたる!!」と、救世主であるはずの彼女に本末転倒な抗議をしてしまいました。

 

 それに対して彼女は、「自分たちであっても全てが見える訳ではないし、プライバシーについては当然尊重していて、覗いて良い部分と良くない部分はちゃんとわきまえています」と丁寧な態度で説明してくれました。
 しかし、どうにも怒りが収まらなかった私はそれさえも快く受け入れる事が出来ず、それは私と彼女の初の「喧嘩」へと発展してしまいました。

 

 しばらくして冷静になってくると、私は自分から歩み寄って彼女と仲直りせねばと思い立ち、お互いに「フォロー」し合っていたブログサイトからメッセージを送ろうとしたところ、彼女の私に対するフォローが外されているのに気が付いて驚きました。

 

 「天使とケンカしてフォローを外された奴なんて聞いたこともないぞ!!」


 単純に「天使から見放された」という致命的とも思える現実の結末が恐ろしくなった私は、慌てて彼女へ平謝りし、その場は何とか彼女と和解する事ができました。

 

 それから一月余りの間、私は実に多くの事を彼女から学び、また実に些細なことで彼女と喧嘩をしては何度もフォローを外され、和解する度に、その友情は確実に深く、そして、より確かなものへと成長して行きました。
 

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参考記事  :『天使の友人(メニュー)

ある聖人の足跡』